人気ブログランキング | 話題のタグを見る

NPO法人スロラニュプロジェクト歯科部


by srolanh

活動報告 2020.2.22~25

2020年2月の歯科部カンボジア活動レポ。
NPO本体の活動はワット・ボー小での特別支援教育がメインで、われわれ歯科部はその部分にはまったく関与していない。
歯科部として関わった部分のみの報告となる。

現地でも一緒に活動したのはスロラニュ小学校の運動会と障がい児デイ・サービスおよび村への障がい児訪問くらい。
そのほかはほぼ別行動だった。

したがって、NPOスロラニュプロジェクトが取り組んでいる活動のうちのごく一部しかここにはない。

特別支援教育については名古屋の団体と合流し、タイアップして今後ますますの展開が期待されている。
詳細は団体のホームページなどを参照されたい。

活動報告 2020.2.22~25_c0324250_18253053.jpg

今回、歯科部としての活動は次の通り(全体活動・他部門のサポートのぞく)。

1 スロラニュ小ブラッシング指導
2 ドントロー中学歯科講話
3 障がい児口腔ケア
4 師範学校ブラッシング指導
5 アンコール中学歯科講話

参加メンバーは予定していた保育士が1名参加を見合わせたため、歯科医師2名、歯科衛生士1名、助手1名。

これまでリーダーのぼくがほぼプランニングして、役割を決め、その役割を担ってもらうというスタイルだった。
それを、参加メンバーに任せる範囲を拡大して、一つのイベントをそっくりお任せするというやり方にしてみた。

任せるほうが難しい、という部分もあると思う。
性格的な問題かもしれないけれど、ぼくは事前にきちんと計画を立てて実行したいタイプなので、不安もあった。
でも、もしうまくいかなかったとしても、失敗は成功のもととして次に改善策を打ってリトライすればいい。

スケジュールが出た時点でメンバーに希望を聞いた。
その結果、すんなり1と3を歯科衛生士の杉本さんが主任に、2と5を歯科医の宇都宮先生が受け持ってくれることが決まった。
したがって、ぼくは4のみを主任として計画した。

活動報告 2020.2.22~25_c0324250_18532923.jpg

歯科部は基本的に救急チームとセットで行動する。
互いに協力し合う。
おかげで救急救命講習でどんなサポートが望まれているか、というのもわかってきた。

そういうわけで、救急+歯科の連合チームの活動報告というほうが正しいかも。












今回もう一つ、新しい取り組みというか、やってみたことがある。

それは、ハミガキの導入用パペットを配るという試み。
前回の7月の活動時に使わずに倉庫に置きっぱなしになっていたパペットをロンタくんを手伝ってくれた学生にプレゼントしたら喜んでくれたから。

そのパペットの存在が彼ら彼女らに歯の健康教育を行うきっかけになってくれたらという思い。

メルカリで物色して、ベネッセの教材を安く購入し、いくつか持参することにした。

その話を会議の場ですると、元教師の須藤先生がミトンを用いて自作してくれたのである。

活動報告 2020.2.22~25_c0324250_21045081.jpg

これを4つ歯科部のために提供してくれたのだ。

おかげで師範学校では8人の学生にいずれかのパペットをプレゼントすることができた。

直接の指導よりも広がりが期待できる行為だと思う。

パペットが、有効活用されることを祈る。

以上

# by srolanh | 2020-02-29 21:08 | 現地活動

アンコール中学

昨年7月はブラッシング指導だけだったアンコール中学。
今回は救急救命講習も。
町の中心にあるマンモス校。

まずは校長のお話。

アンコール中学_c0324250_08564273.jpg

少し早かったとはいえ、我々が到着したとき会場となる4階の大部屋は施錠されていて、開くのを待った。
開錠されて入った部屋はそのままでは会場としては使用できない状態で、我々で机を移動。

床は砂だらけでそのまま講習用の人形を置くことはできないレベル。

我々で掃き掃除。

そうこうしているうちに開始予定時刻の14時に。
知らされていた人数の50名には遠く及ばない人数。

しばらく待っていたら今度はどんどん増えて50名どころか60人に、80人に、100人超えた?みたいな状態に。
はじめるにはじめにくい状況。

ずいぶん経ってから現れた校長。
これがカンボジアなのか。

この子たちの何割かが卒業したワット・ボー小学校では考えられない光景。

一体どうなってるのか。

気を取り直して高橋隊長は淡々と講習を行う。

アンコール中学_c0324250_08572355.jpg


アンコール中学_c0324250_08575554.jpg


アンコール中学_c0324250_08583652.jpg

服装の違いはランクの違いらしい。
ここの子たちはこの時期からシビアにランクわけされているのである。
偏差値格差にほかならない。

目の前に倒れた人がいたとき、何をすべきか。
安全確認して、声をかけて、助けを呼んで、呼吸の確認をして、、、

そして胸骨圧迫である。

アンコール中学_c0324250_08585694.jpg

救急車が日本みたいに迅速にやってくるわけじゃない。
心臓マッサージをやめずにがんばってほしい。

アンコール中学_c0324250_08592150.jpg

部屋の後方の席には少々不真面目というか、やんちゃというか、そういう子がいて、講習を聞くわけでもなく、自分たちの好きなことをしているグループがあった。
聞きたくなければ来なければいいのに。

アンコール中学_c0324250_08593924.jpg

胸骨圧迫の手技だけ習っても、そこに至る過程を学ばなければ十分とは言えない。
高橋隊長の思いが伝わりますよう。

アンコール中学_c0324250_09000774.jpg

続いて歯科部より宇都宮先生が講話。
初日のドントロー中での経験を生かして。

アンコール中学_c0324250_09002291.jpg



アンコール中学_c0324250_09010086.jpg

ご夫婦で取り組む姿がちょっとうらやましくもあり。
オシドリ夫婦。

アンコール中学_c0324250_09012153.jpg

学生たちにはどれくらい伝わったんだろう。
前半分はみんなよく聞いていたようだ。

アンコール中学_c0324250_09014175.jpg

内容はむし歯はどうしてなるのか、というのと、食事の度に口の中は酸性に傾き、酸性になっている時間が長いほどむし歯になるリスクが高くなるんですよ、というもの。
そのほかにも歯が抜けたらどうなるとか。

アンコール中学_c0324250_09020311.jpg

すべてお任せして、ぼくはこうして写真を撮るのみ。
つい気になる被写体を追いかけてしまうのであった。

今回の歯科部の活動はこれにて終了。

# by srolanh | 2020-02-25 14:55 | 現地活動
前回は担当者不在で学生に連絡が行き届いていなかったハプニングがあった師範学校。
今回は学生が笑顔で出迎えてくれた。

師範学校 ブラッシング指導_c0324250_08453215.jpg

7月に実施した場所に学生たちと移動した。
ただ今回は小学校のほうにうまく連絡が届いていなかったようで、先生方は予想してなかったような顔をされていた。

これはすぐに小学生がやってこないな、と思ったので、学生の前でブラッシング方法の説明を。
まずは歯科衛生士の杉本さんから。

師範学校 ブラッシング指導_c0324250_08455274.jpg

ちょうど子どもたちがやってきて、整列。
今度は先ほど聞いたブラッシング方法をみんなに説明してくれる人を依頼したら、女子学生がさっと手を挙げてくれた。

師範学校 ブラッシング指導_c0324250_08461043.jpg

教師になる学生さんたち。
こうやって大勢の前に出て話すスキルを磨いてもらいたい。

ぼくは普段大勢相手に話す機会もないので、どうも苦手なんだけど。

続いてロンタくん。
ここでも手伝ってくれる人を募ると男子学生が手を挙げてくれた。

師範学校 ブラッシング指導_c0324250_08465759.jpg

みんなロンタくんには心奪われる。

師範学校 ブラッシング指導_c0324250_08471680.jpg

もう1体はこの学校の備品。
広島大学の方が寄贈されたもの。
例年なら3月に広島のみなさんがここでセミナーと歯科健診を実施されるんだけど、今年は新型コロナの影響で中止になったようだ。


師範学校 ブラッシング指導_c0324250_08481233.jpg

アシスト役の寿子さんが両方の面倒をみてくれる。
これも前回何度もやって心得ておられるから。
経験者がいるのはほんとうに心強い。

師範学校 ブラッシング指導_c0324250_08490054.jpg

染色液を塗布する前に、子どもたちの口の中にはもう永久歯が生えていて、今が大切な時期であることをアピールした。
カンボジアでは乳歯は抜けるから悪くなってもいいと思っている人が多い。
その考えを改めてもらうために。

師範学校 ブラッシング指導_c0324250_08492331.jpg

みんなちゃんと鏡を見ながら赤く染まった自分の歯をブラッシング。
学生さんたちも熱心にアドバイスしてくれていた。

師範学校 ブラッシング指導_c0324250_08494299.jpg

ブラッシングの後、児童には教室に戻ってもらってから、学生さんたちに感想を述べてもらった。
こちらからお願いする前に、教師になったら子どもたちに歯のことを指導したいと言ってくれた。

すごく反応がよくて、ぼくも大満足。

さあ、ほかの場所で救急救命講習を受けていたグループと交代。

このグループではまずブラッシング方法を誰かに教えてもらったことがあるかどうかを尋ねたら女子学生が手を挙げてくれた。
そしてブラッシング方法について皆の前でデモを。

師範学校 ブラッシング指導_c0324250_08501579.jpg

元々お母さんに教えてもらったそうで、そのお母さんが歯科関係の方だったとのこと。
とても積極的な方で、教師としてのポテンシャルを感じた。

師範学校 ブラッシング指導_c0324250_08503977.jpg

子どもたちがやってきて、整列したら、ロンタくん。
このグループでもお手伝いを依頼したすぐさま手を挙げてくれた。

師範学校 ブラッシング指導_c0324250_08511668.jpg


師範学校 ブラッシング指導_c0324250_08515838.jpg

今回は屋根がある上に気温も上がらず快適な状況でできたこともあり、みんなとても集中して聞いてくれていた。
染色、ブラッシングも皆とても意欲的。

師範学校 ブラッシング指導_c0324250_08521835.jpg

スタッフは多かったわけではないけれど、指示したことをてきぱきこなしてくれ、スムーズだった。
ぼくがちょっと気まぐれなところがあって思いつきで行ったことにも対応してくれて。

師範学校 ブラッシング指導_c0324250_08535514.jpg

ブラッシング中に宇都宮先生にも前に出てハブラシの持ち方を伝えてもらった。
ぼくも模型をもって身振り手振りをしてみせたんだけど、見事にみんなまねをしてくれて、やりやすかった。
カンボジアの子どもたちはほんとうに素直である。

師範学校 ブラッシング指導_c0324250_08542871.jpg

前に出てお手伝いしてくれた4人にはあらかじめ準備していた小さなパペットをプレゼントした。
今後自分でも活用して、子どもたちにハミガキ指導をしてねという願いを込めて。

ベネッセの教材をメルカリで探して中古で手に入れたもの。
ものがあればインパクトも残るし、きっと彼女たちは生かしてくれるに違いない。

そして、最後にこのグループでも学生さんたちに心に残ったこと、大切だと思ったことを述べてもらった。
二人ずつ話してくれたので、彼らには須藤先生手づくりのミトンを工夫したパペットを。
須藤先生はぼくの案を聞いて作ってくれたのである。

師範学校 ブラッシング指導_c0324250_09033006.jpg

バイキンがスナップで着脱可能。
よくできている。

われわれのためにここまでしてくれたことに心から感謝している。

トータル8名にグッズをプレゼントすることができた。

まさにここでのブラッシング指導はぼくの集大成といっても過言ではない時間だった。
ぼくにとってのボランティアは自己満足がなければならないと思っていて、かなり満たされた瞬間だった。

独りよがりかもしれない。
彼らのためというより自分のためであることは間違いない。

共に過ごした時間がおもしろかったな、とか新しい発見があったなとか、刺激を与えることができたなら、うれしい。

今回の活動で唯一自分が主導する2時間だったけど、その2時間が自分で納得のいくものになった。

ありがとうございました。

# by srolanh | 2020-02-25 08:42 | 現地活動
6回目となったアプサラ機構での救急救命講習。
歯科部はここで微力ながらお手伝い。

まず副CEOが登場し挨拶。

アプサラ機構で救急救命講習 _c0324250_07183737.jpg

職員に対し講習でしっかり学ぶよう激励されていたようだ。
3分ほど話して姿を消した。

アプサラ機構での救急救命講習はNPOの株を上げていると思う。
コーディネータのパンナさんの人脈と、何と言っても講師の高橋隊長のおかげ。

ぼくなんか足元にも及ばない。
少しくらいはお役に立てるよう、高橋隊長のお手伝いをする。


アプサラ機構で救急救命講習 _c0324250_07342990.jpg

職員さんたちはみんなスマホを持っていて、動画撮影なんかもしている。
それがカンボジアの人たちの中で拡散されるとなおいい。

今回は高橋隊長と猪狩さんに加えて歯科部の4人がここを担当した。

アプサラ機構で救急救命講習 _c0324250_07344885.jpg

内容は基本的に同じ。
心肺蘇生から。

アプサラ機構で救急救命講習 _c0324250_07352271.jpg

胸骨圧迫の手技はみんな何となく知ってて、そこそこ上手にできていた。
こういう人形で実際に実習するというのは貴重な経験になったと思う。

AEDの紹介も。

アプサラ機構で救急救命講習 _c0324250_07354956.jpg

遺跡でけが人に遭遇した時の経験を話してくれた女性。

アプサラ機構で救急救命講習 _c0324250_07361358.jpg

けが人に対する処置について。

アプサラ機構で救急救命講習 _c0324250_07362792.jpg

搬送について。

アプサラ機構で救急救命講習 _c0324250_07364325.jpg

質疑応答。

アプサラ機構で救急救命講習 _c0324250_07370914.jpg

積極的な女性お二人。
猪狩君の写真を撮りまくっておられたね。

アプサラ機構で救急救命講習 _c0324250_07372205.jpg

8時半から11時まで、途中休憩はあったけれど2時間以上の講習。
高橋隊長、おつかれさまでした。

いつも通り笑いあり、真剣なまなざしありのすばらしい講習でした。
お手伝いできて光栄です。

ありがとうございました。



昼食をはさんで、われわれはチャンニーのお母さんに会いに行った。

訪れるとお母さん一人、座っておられた。
いつもおられたお父さんはもういない。

杉本さんが彼女の足をマッサージした。

アプサラ機構で救急救命講習 _c0324250_07373425.jpg

ここに来ると6年前に初めて訪れた時のことを思い出す。
ぼくの歯科支援の原点だ。

いろんなことを考えさせられるのだった。

# by srolanh | 2020-02-24 12:15 | 現地活動

村訪問

日曜の午後は村訪問。
デイ・サービスに来ることが叶わない障がい児の住む村へ。

村訪問_c0324250_22302021.jpg

セイハ―くんの村は家もまばらで貧困の香りが漂っていた。

もちろんここでロンタくん登場。

村訪問_c0324250_22314974.jpg

7月のときもやったけれど、これも継続すべきこと。
1回や2回やったところで、すぐに忘れられていく。

村訪問_c0324250_22332394.jpg

澄んだ瞳がロンタくんにくぎ付け。

こういう村訪問大好き。

そして次のシダくんの家までは近い。

村訪問_c0324250_22344094.jpg

ここはお母さんがすごくしっかりされてて、シダくんは清潔感があってきっと快適なんだろうと思う。
歯の状態も良好。

テックちゃんの村は子どもたちがいっぱい。
ここの村の雰囲気いいなと思う。

村訪問_c0324250_22375205.jpg

集落に活気を感じたのは赤ん坊がいたからかも。

村訪問_c0324250_22393479.jpg

めちゃくちゃかわいいのである。

そしてここも2回目だけど子どもたち真剣。

村訪問_c0324250_22404999.jpg

ハブラシをみんなに配って、最後はピッチ日本語教室の村。
ソペアがいた村。

村訪問_c0324250_22422500.jpg

猪狩くんが先生役に。
注目されると照れるかな。

一年前は日本語でロンタくんを演じてくれた子がいた。
あの時はほんとうに感動した。

今回は日本語ではなくクメール語版。
低学年の子にもよくわかるといいな。

村訪問_c0324250_22443037.jpg

こちらはエステ部。
体調が思わしくなかった奥様。
顔色はまだよくない。

村訪問_c0324250_22475598.jpg

それがプロの手にかかればお茶の子さいさい。
妹さんも。

村訪問_c0324250_22495489.jpg

ここでのこういう雰囲気も好きです。
これからも日本語教室が発展しますように。

# by srolanh | 2020-02-23 16:53 | 現地活動